2006年8月に「冥王星は惑星から除名」なんてネタが流れたが、会議の開かれたチェコの首都プラハは菊地秀行が言うところの「魔都」というか、惑星の運動に関するケプラーの法則で知られるヨハネス・ケプラーの活動拠点であり、彼が生活の糧を得るためのもうひとつの肩書きは占星術師だった。
天体の研究で飯が食えるのはパトロンがいる場合くらいのもので、彼が金を得られる手段は占星術であり、かの傭兵隊長ヴァレンシュタインをケプラーが占ったことがあるとかないとか。
まぁ、冥王星を含めた占星術はあるのか?と考えることはまあ面白いと思う。しかし、会議がプラハで開かれ、惑星の分類の検討に踏み込んだのがケプラー関連の土地であったのはただの偶然だろう。
そして、2006年に邦訳の出た本が「ケプラー疑惑」。
肉眼の天体観測家ティコ・ブラーエの墓が暴かれ、遺体を分析してヒ素を検出。ここまでは一応は単なる事実だ。
そこから「犯人は誰か?」となり、一番の受益者は遺産である観測データを受け継ぎ、ケプラーの法則を唱えたヨハネス・ケプラーだ。じゃあ、彼が犯人か?で一冊の本になってしまった。
翻訳出版を決意した編集者と出版社は勇者だけど、2006年だと「ユダの福音書」の陰に埋もれてしまった感じだ。科学に対する関心が薄そうな今時では苦労しそうな科学史翻訳物。
もう一冊のケプラー絡みの「ケプラー予想」(球体の最密充填)は2005年邦訳だから、時期がチトずれて面白くない。また、過去のケプラーによる予想を現代に計算機を用いて証明したことが主題だから、ケプラー本人とはカケ離れている。
日本に限定すれば、2006年は微妙にケプラー絡みの年であったといえるかもしれない。
「ケプラー疑惑―ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録」ジョシュア ギルダー、アン‐リー ギルダー、地人書館
「ケプラー予想」ジョージ・G・スピーロ、新潮社
トップページへ











システム競争として見る楚漢相争


ダイオキシンよりも危険なのは
研究足りない!?
説得力ある部分も多いが中立的ではない