倉鉢徹のページ: 新書-古代中国の虚像と実像
 

2009年10月20日

新書-古代中国の虚像と実像


「史記」「春秋」に拠った従来の説を否定する事例を並べた「古代中国の虚像と実像」が出ていた。

近年の研究になじみのない人には面白い本だろう。だが、孫子の扱いには疑問がある。

収められた話は、

1.夏王朝は戦国時代に作られたお話であり、たまたま見つかった遺跡の年代が近いから今現在の時点で夏王朝にこじつけているだけ。

2.「竹書紀年」に拠って、周の東遷は東西二王の並立と東の王の勝利と解説。周の大貴族と封建諸侯の勢力争いに封建諸侯側が勝利して東周の時代が始まった。竹書紀年の記述を受け入れ、春秋より竹書紀年を重く見ている。
平勢隆郎氏の春秋解釈を真っ向から否定。

3.「孫子」後代成立説の立場を採り、孫子非在派。
孫子の記述に戦国時代の兵制が含まれているというのが、その論拠。

歴史ロマンとか言っていた通説を否定する記述の羅列にガッカリする人もいるかもしれないが、平勢隆郎氏あたりの「竹書紀年」による東周の成立の解説をすでに知っているとなんら不思議ではない。

■陳瞬臣氏も「小説十八史略」あたりに夏王朝は後代に作られた伝説としている。

斉を簒奪した田氏を「夏王朝の末裔だから天子になる資格がある」と持ち上げるために作られたお話だという説もすでにあったはず。


「旅研:●竹書紀年 ちくしょきねん」
「竹書紀年-Wikipedia」

「孫子 (書物)-Wikipedia」

「史記-Wikipedia」

「春秋-Wikipedia」


「古代中国の虚像と実像」落合 淳思 (著) 、講談社現代新書、
古代中国の虚像と実像 (講談社現代新書 2018)落合 淳思
講談社
2009-10-16

倉鉢徹のページトップ

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

blogram投票ボタン


ランキングはこちらをクリック!



posted by kurapat at 09:34| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 東アジア史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
フィードメーター - 倉鉢徹のページ
アスピリンぜん息
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。