倉鉢徹のページ: 新書-鬼平の給与明細
 

2010年04月12日

新書-鬼平の給与明細


短期間に続けざまに本を出す安藤優一郎氏の新刊が出た。

「鬼平の給与明細」: 安藤優一郎

幕臣である旗本の収入と昇進のネタ。

おおまかに、
●鬼平
●大岡越前
●幕末幕臣
の3部分に分けられる。

著者公式Web:歴史家 安藤優一郎 オフィシャルサイト
《『鬼平の給与明細』(ベスト新書)が刊行されました。》

■金が必要なのは「旗本」「御家人」いずれの幕臣でも変りないが、それでも人足寄場予算に自腹を切った鬼平が銭相場で稼いで費用捻出しようとした姿が「浅ましい」ものとして評価を下げた。
それは確か。松平定信の手元にもたらされた風説収集「よしの冊子」などの鬼平の悪い風聞が集められ、「有能だが用心するべき人物」として捉えられ、結局は使い捨てにされた。
父親が、番士組頭から「京都町奉行」という遠国奉行に栄転したものの急死した出世に比べて、不遇であったとは安藤氏の評価。

■大岡越前も町奉行として名を売った前半は漠然と知られているが、「官位打ち」もどきの町奉行としての実権を取り上げるための昇進としての勘定奉行就任以降は知られていないとして解説。
まぁ、小大名になり、分散した領地をまとめようと根回しに奔走するも果たせなかったというだけの紹介。

■そして禄を食む江戸の武家社会の崩壊近づく幕末は勝海舟ネタと過去に書いた将軍様のボディガード徒士組の山本氏の話。

気になるミスは、「勝海舟」を御家人としていること。食録はすくなくても、直参旗本というのは存在している。41石と言う石高だから「何俵扶持」と俵で数える御家人とは異なる。「貧乏旗本」勝家については私がなんども過去に書いているとおり。

「江戸の旗本事典」の内容を踏まえていたなら、犯さなかっただろうミスだ。

御家人だったならば、いつ「お目見」格の旗本に昇進したのか、それを示さなくてはならない。
御家人ならば、内職は非公然に黙認されていた。だが、旗本は「内職」も許されていなかったらしいと言うような話もある。
勝小吉の場合は御家人ならば黙認される内職ができないものの、非公然と刀の目利きで禄以外に稼いでいた。
しかし、彼が隠居して勝海舟が当主になっても、小吉は勝家に金を入れるでもなく行動したから、無役の勝海舟の勝家は困窮した。




  • 小川 恭一
  • 発売日 : 2003/09/12
  • 出版社/メーカー : 講談社
  • おすすめ度 : (2 reviews)
    4これははずせない
    5柳営学の有用な入門書


倉鉢徹のページトップ

人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へblogram投票ボタン


ランキングはこちらをクリック!
BARバッチ by Ad-butterfly



posted by kurapat at 09:13| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
フィードメーター - 倉鉢徹のページ
アスピリンぜん息
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。