■ムリ族のナイフゲームの白刃取りは、若き薩摩兵児(さつまへこ)の死因のひとつだった肝試しを思い出させる。
薩摩兵児たちは二才(にせ)呼ばれる若衆の集まり(郷中)で火縄に火のついた鉄砲を吊るして水平にぐるぐる廻す肝試しをおこなったという。
鉄砲が火を噴きそうになっても銃口をよけたらいけないとされ、意地を張って銃創で死亡した例が後を絶たなかったといわれる。
これで死ななかった度胸がいいのかバカなのか分からない連中が戊辰戦争の担い手となってポックリポックリ死んでいったわけだ。
無駄に薩摩兵児を減らしたとみるべきか、銃火に恐れることなく突撃する薩摩武士の他藩に見ない野蛮さが突出させていると見るべきか微妙な肝試し。
この辺の銃と薩摩兵児の関係は、東郷隆の「狙うて候」にも出ていたはず。
公衆の面前で女に気を取られるような同輩を叩き斬っても誰も問題にしなかったとされる話もあるが、これを素直に信じていいものやら?
「論を言うな!(つべこべ理屈を言うな!)」とキレ易い直情型の薩摩兵児とか言う話もあり、どうも消耗品的に突撃要員にしつらえられた薩摩の下級武士群と思えてならない。
それゆえに、西南戦争が発生するのは当然だったかもしれない。徴兵制の時代に直情的で統率に乱れのある兵は不要であるとばかりに。
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現在の鹿児島では「議を言うな」は負け犬の遠吠えと同じ扱いになってるけどね。