倉鉢徹のページ: 新書購入判断基準
 

2007年05月09日

新書購入判断基準

書店には「日本史」関連新書が溢れているが購入しないと決める基準があるとすれば、日本史関連では史実と後代の創作を混同しているものは不可。

「墨俣一夜城」伝説は江戸時代中期までに徐々に形成されたお話という説が有力視されているのに「武功夜話」の記述を鵜呑みにして図版を引用した光文社新書「名城の由来」はその点で私的には失格。

「信長の戦争」藤本正行、講談社教養文庫は大田牛一の「信長公記」を引用しつつ考証して、「武功夜話」の「墨俣城」図が当時の築城セオリーを無視した欠陥だらけであり、後代の創作物と断定。

問題点として、
1.近くの川を堀代わりに活用していない
2.囲いが単郭で入口を取られたら即失陥するぐらい防御力が低い
3.縁起担ぎで避けられた鬼門に何故か出入り口がある
を挙げている。

江戸初期の読本書き小瀬甫庵が「甫庵太閤記」と呼ばれる読み物で簡単に描いた秀吉の手柄話の砦構築話が、江戸中期には「墨俣に城を築き」と記述が具体的になっていったが、その根拠となる出典が曖昧だというもの。

こうやって江戸時代に形成された史実もどきのフィクションを明治以降の旧陸海軍が史実と認識して戦訓を引き出そうとし、迷走していく様を嘆くのも藤本氏の「信長の戦争」だったりする。
posted by kurapat at 20:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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