倉鉢徹のページ: 書評−「倭国―東アジア世界の中で」
 

2007年05月28日

書評−「倭国―東アジア世界の中で」

「倭国」は岡田英弘氏の古い著作だが、2005年の第33版を見つけて購入。

内容は、キテます、かなり。

断定調で、バッサバッサと従来の日本史観を切り捨て三昧。斬奸と言わんばかりに「『古事記』は平安初期の偽作。『日本書紀』の方が古い」とか。

「『隋書』へ倭国からもたらされた国書に推古天皇の記述はなく、男性権力者が載っている」とか、倭国へ派遣した使者の記録と日本書紀の不一致を指摘。
「日本書記は天武・天智系統に都合良く捏造されたもの」など。
30年経っても定説と相容れない立場は「東アジアの同時代を横に結びつける研究者の交流がない」というボヤキとともに続いている訳で、最近の著書と比べてもブレがないというのは誉めていいものやら?

■まぁ、象徴とか御神輿としての首長を想像できなかった隋の使者が蘇我馬子をトップと見なしただろう、とか色々と想像することは可能。
「『馬厩皇子」』は存在しても『聖徳太子』はいなかった」という説を出して、酔っ払いみたいにブレた論旨不明瞭な内容の新書を書く人もいたりする。

かつて、「時空警察」というトンデモ歴史改変組織を主人公に据えた番組では、「聖徳太子は秦河勝によってネストリウス派キリスト教を信仰していた」ことになってるけど。


「倭国―東アジア世界の中で」岡田英弘1977、中公新書


  • 岡田 英弘
  • 発売日 : 1977/01
  • 出版社/メーカー : 中央公論新社
  • おすすめ度 : (4 reviews)
    5倭国は所詮周辺史なのだ。
    4倭人のコロニーは、国を作ることで大陸に勃興した帝国による征服から免れた
    2アジア領域を視座とする古代史
    4わが国の成立史を説く


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posted by kurapat at 09:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 東アジア史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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