倉鉢徹のページ: 書評−古代日本のルーツ 長江文明の謎
 

2007年07月27日

書評−古代日本のルーツ 長江文明の謎

■勘違いを植え付けてくれたやっかいな「長江文明」の本に続いて購入後、腐海に隠れていたもう一冊の「長江文明」本が「古代日本のルーツ 長江文明の謎」

長江中流域を「長江文明」発祥の地とし、上流へ広がって「四川文明」が開かれたとしている。さらに気象変化で黄河流域から南下した畑作牧畜民の圧迫があった。そのため、長江流域からより奥地へ支流の山岳部へ遡ったグループと長江河口をくだり海を渡って日本に到達したグループができたのではないか、と大胆に想像している。これが初期の弥生民の起源ではないかと言うのだ。

「世界四大文明と呼ぶには、黄河文明はやや新しく、北緯35度よりも北にある。北緯35度以南の大河周辺を文明揺籃の地とするならば、長江文明はこの定義に当てはまり、他文明と同じくらい古い。時期が同じなのは気象変化の影響だろう」と「黄河文明よりも長江文明」というぐあいに妙に力が入っている。

■「長江文明」と「黄河文明」の関係をもとに、「稲作漁労民」と「畑作牧畜民」を「美と慈悲の文明」対「力と闘争の文明」として対比するのは、著者の批判しているマルクス主義の影響を引きずり解消できない日本の研究者とさして変わらない気がする。マルクスが応用したヘーゲルの弁証法的ではないか?と。

「古代日本のルーツ 長江文明の謎」安田喜憲、青春出版社(新書)
古代日本のルーツ 長江文明の謎 (プレイブックス・インテリジェンス)
青春出版社
2003-06

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posted by kurapat at 08:37| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 東アジア史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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