倉鉢徹のページ: 書評−「武士から王へ」
 

2007年11月09日

書評−「武士から王へ」

「武士から王へ」は、京の王権は全国の統治者としての機能を持たず、平安時代末から武士がボトムアップに統治者能力を身につけて戦国大名という地方王になった、と解説。

更に中世宗教勢力が周辺の荘園から集める年貢がじつは領主層に分配されていたとして、高野山の例を上げている。

■なんというか、説明しづらい内容の本ではある。中世の政治勢力全ての解説を試みて、散漫な印象を受ける。

地下(じげ)の者にとって、京の天皇を支配者と認識することはなく、地元で暮らす武士こそ支配者であった。
武士は、例えば鎌倉幕府が朝廷の書式を真似て文書を発行するように、歳月を重るうちに支配のための事務能力を向上させ、真に地下(じげ)の者から存在をキチンと認識される支配者たる地方王になった。

東西ふたつの王権という、東西文化の相違とは別の東西分割統治論を踏まえつつ、武士の王権が京の天皇と周辺の公家の王権を力で圧倒し、京の権力基盤を併呑してひとつの王権にまとめたのが足利幕府としている。


「武士から王へ―お上の物語」本郷和人、ちくま新書
武士から王へ―お上の物語 (ちくま新書 682)
筑摩書房
2007-10

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posted by kurapat at 11:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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